Frequently Asked Questions about Libertarianism

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Last-modified: 10 May 1994 (HTML: 15 December 1994)
日本語訳:きゅうり訳1999/10/15
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Contents:
1.リバタリアニズムとは何ですか?
2. リバタリアンはリベラルですか?コンサバですか?
3. リバタリアンはどのようにこの問題にアプローチしますか?

4.軍の徴兵制に対する リバタリアンのスタンスはどのようなものですか?
5.政府はラジオやTVや新聞を規制するべきでしょうか? 

6. リバタリアンはなぜ成人の合意あるセックスに関する規制を撤廃しようとするのですか?
6a. これは、売春もどうようですか?

7. リバタリアンは個人の自由を麻薬使用まで支持するのですか?
7a. しかし、麻薬が合法化されたら、中毒患者が何百万とうまれるのではないでしょうか?

8. リバタリアンは銃の所有を個人的な自由として支持するのですか?

9. リバタリアンは移民をどのように扱うのでしょうか?

10. リバタリアンは農場や産業への補助金をどう考えますか?

11.自由貿易になれば、関税を設けるよりも生活が向上しますか?

12.最低賃金法をどう捉えますか?

13.貧困者の問題をどう考えますか?

14.人種偏見や男女差別をする雇用者に雇用差別をさせないためにアファーマティブアクションは必要ではないでしょうか?

15. リバタリアンは、税金をどう捉えますか?

16.私は税金カットを支持しますが、実際問題、どうすればいいでしょうか?

17. リバタリアンは進みすぎてはいませんか?

18. リバタリアンの考えは性善説に基づいてはいませんか?


1.リバタリアニズムとは何ですか?


リバタリアンは平和と物質的豊かさを備えた世界を欲している。また、それを勝ち取るための唯一の方法は、自己統治によるものであり、他者による統治ではないと考える。

自己統治とは個人責任と忍耐とを合わせたものである。責任とは自分で自分を統治するということである。忍耐とは自分の価値観を 他の平和的で誠実な人たちに対して強制しないということを意味する。

「今日では、他者による統治が我々に危険と、摩擦、貧困をもたらしている。自己統治という遺産、伝統を再び蘇らせよう。敗者のいない世界を 作るために。我々は皆そのような世界からやってきたのである。」―アイン ランド

2. リバタリアンはリベラルですか?コンサバですか?


単なる右翼か左翼かというより、ずっとましな選択肢があります。 リバタリアンは政治やビジネス、個人生活の全ての面で、それら以外の他の選択肢を提供します。 リバタリアンは個人的な自由と経済面での自由において、より程度の高い自由を主張しています。昨今のリベラルズは個人的な自由は好みますが、同時にあなたの経済的な問題にも首を突っ込みたがります。コンサバ系の人たちはその裏返しです。つまりより経済的な自由を主張しますが、あなたの個人生活に関しては締め付けようとします。

リバタリアンの立場というのは、いわゆる右翼でも左翼でもなく、またそれらが一緒になったものでもありません。 リバタリアンは個々人が自分がベストと思えるものを自分で決定する権利があると考える。またその確信にもとづいて行動する権利があると考える。もちろん、同じように自分の判断で行動している、平和的で誠実な人達の権利を尊重するという制限がつくが。

昨今では、リベラルもコンサバの人たちも、アメリカの遺産とも言える自由と自己責任を重んじる伝統を拒否している。彼らは国民に彼らにとって都合のいい拘束服を着せようとする。アメリカ人は足かせのない偉大な国を建国した。今こそ拘束服を脱ぎ捨てるときである。右翼だ左翼だという無意味なスペクトルをうちやぶらねばならない。全ての問題における自由というものを考えよう。

3. リバタリアンはどのようにこの問題にアプローチしますか?


リバタリアンは政治へのアプローチに、愛情や面倒見のよさによって対処しようとする。

政治家は、法律や規制が生きた生身の人間に影響をおよぼすという事実をいつも忘れている。

リバタリアンは法律の持つこういった側面を重視する。我々は一人一人の個人がかけがえのない存在であり、大きな可能性をひめた存在だと考える。我々は自身のなかにある最高のものを見出すことを奨励するようなシステム、またそれを利用できるシステムを欲している。人々の調和のある関係性を発展させうるシステムである。

政治的な問題を扱う場合、 リバタリアンは人間に注目する。だれが問題を抱えているのか?と。
問題はなにか?なにを政府はすでにしているのか?もしかしたら、それこそが問題の原因なのではないか?と。
最も重要なこととして、 リバタリアンはこう尋ねる。誰かが他人の権利を侵していないかと?
だれかが、殺人、レイプ、強盗、盗み、横領、放火、不法侵入、etcをしていはしないか?
もし、そうであるならば、犠牲者を犯罪者から守るために政府を呼ぶのが適当であろう。しかし、そうでないのであれば政府を巻き込むべきではない。

多くの場合、人々は自発的な意思で自分の問題を解決しようとしたほうが、政府の強制力を使って問題を解決しようとする場合よりもいい結果が得られるものである。


4.軍の徴兵制に対する リバタリアンのスタンスはどのようなものですか?

自由な人々は、我が家や自国を守るために頼りになる存在であるということは歴史が証明している。しかし徴兵制というのは奴隷制である。軍隊に居たいと思ってそこにいる人たちに守られているのはいいが、意思に反してそこにいる人たちにまもられているとは思わない。

アメリカを守ることに専念した軍隊であれば、世界の警察官としての軍隊に比べマンパワーが少なく出来るし、さらには徴兵制をなくすことにも、徴兵をとる理由もなくしてしまうだろう。


5.政府はラジオやTVや新聞を規制するべきでしょうか?

アメリカの自由なマスコミというのは、世界中の自由を渇望する人たちからうらやましがられている。独裁者は管理したマスコミを用いて、反対意見を黙らせようとするし、うその情報を国民に与えようとする。アメリカ人は政府のつくった新聞や情報コントロールされた新聞など欲しないだろう。同様に情報コントロールされたTVやラジオがどうしていいのだろうか?印刷された言葉と同様に、放送による言葉は自由市場によって制限されるし、それによって制限すべきものである。アメリカ人は自分の見たり聞いたりするものを自由に選択できるべきである。政府によって、その選択を規制されるべきではない。


6. リバタリアンはなぜ成人の合意あるセックスに関する規制を撤廃しようとするのですか?

性的な関係を形作る選択方法より以上に個人的なものというのはこの世にない。政府は人々のベッドルームに侵入するというのは政府の役目ではないのである。

このことは、他人の性的な行動を認めなければならないということではない。ただ単にその当事者が合意のとれた大人である限り、だれも彼らをやめさせたり罰したりするために政府の法権力を用いる権利はないということである。

性的な嗜好を理由に、無害(もしくは善良)なアメリカ人を刑務所においやる正当性などどこにも存在しない。他人が自分の身体をコントロールするという権利は尊重すべきである。

これは、売春もどうようですか?


毎日、何百万ものアメリカ人がセックスをするということに同意をしている。かれらを刑務所に押し込める理由の正当づけなどできない。
これらは同意しあった大人同士の自発的で平和的な了解である。これらのほんの一部にお金がからんでいる。
犯罪としてのペナルティーを科したところで、売春はなくならない。それは本当の問題を生み出すだけである。
ある研究によれば、売春を検挙するたびに一回あたり2000ドルの税金が掛かっている計算になるという。他人が自分の身体をコントロールするという権利は尊重すべきである。

セックスを犯罪視するのはやめよう。それらは個人的なこととして放っておこう。


7. リバタリアンは個人の自由を麻薬使用まで支持するのですか?


禁酒法はかつてアメリカを引き裂いた。今はドラッグに関する戦争が起こっている。厳しい法律も、監獄行きという脅しも、罰金もドラッグの使用を止めさせることはできない。これらは全て人を助けるということを困難にしている。売春禁止が組織犯罪を生んだように、今では麻薬禁止法は、組織犯罪を生き長らえさせている。そして暴力と堕落がそれらとともに存続するという結果になっている。ドラッグが違法とされる以前は、アメリカ人はそれをたいした問題としてはとらえていなかった。他人が自分の身体をコントロールするという権利は尊重すべきである。

麻薬を犯罪視することをやめよう。それを必要とするひとたちを助けよう。そして警察には本当の犯罪から我々を守ってもらおう。

しかし、麻薬が合法化されたら、中毒患者が何百万とうまれるのではないでしょうか?


私ももちろん人々が健康的で生産的である社会に暮らしたいと思う。中毒性のあるドラッグで人生を破壊しているような人たちの社会はいやである。
1914年以前は、全てのハードなドラッグは合法的なものであった。そして中毒患者はあまりいなかった。多くの研究結果では麻薬でさえ生産的でありうるし、また麻薬が安価で買えたとしてもそれが犯罪には結びつかないとしている。

今日では、麻薬を犯罪視しているにもかかわらず、中毒患者が沢山いる。麻薬が違法であることによってひきおこされた暴力もある。
麻薬を犯罪視することは止めよう。そうすれば暴力を止められるし、助けを必要な人たちを助けることも出来る。


8. リバタリアンは銃の所有を個人的な自由として支持するのですか?


リバタリアンは、他のアメリカ人と同様に、通りを安全に歩けることを望んでいるし、家の中で安全で居たいと思っている。市民の自由が犯されることを防ぐためにも、我々の憲法上の権利も守られることも当然望んでいる。特に、 リバタリアンは法の下で人々がどうように扱われるのを望んでいる。我々の憲法が要求しているように、アメリカの数百万人の銃を所有している人たちの権利が同様に守られることも望んでいる。

責任ある市民が平和的な活動をするのに許可や承認は必要ないというのは普遍の理である。銃の所有者たちは、それ自体では他人を傷つけることはないし、モラルの理由で犯罪刑罰を科すことを正当化することはできない。

責任のある、武器を持った訓練された市民というのは、国内の犯罪や外国の侵入からの脅威に対する最高の防御である。アメリカの建国者たちはそれを知っていたし、そのことは今日でもいまだに真実といえる。


9. リバタリアンは移民をどのように扱うのでしょうか?


誰でも、どこへでも旅行をする権利がある。また提供される仕事を引き受ける権利も持っている。ただし、それが自分のお金を使って旅行するものであるかぎり。また他人の権利を侵害するものでない限り。

貧乏な人を助ける一つの方法は、仕事がある所へ国境の制限なく彼らを行かせてやることである。いろんな研究によれば、移民の受け入れは他人の仕事を奪うものではなく、経済に付加されるもので、それはより多くの仕事を生むことを助長する。

アメリカは移民によって建国された国である。彼らはここにまさに機会と自由を求めてやってきたのである。そして歴史上最も偉大でもっとも生産的な社会を築いたのであった。

人間の権利を尊重しよう。そして移民制限を緩和するという要求をしている世界中の貧困者にたいし同情しよう。


10. リバタリアンは農場や産業への補助金をどう考えますか?


全てのビジネスに携わる人たちー農場経営者も含めてーは、自分の生産物を他者によって補助金が与えられていないフリーマーケットに提供することができるべきである。生産者、そして消費者を助ける方法は、アメリカの自由な事業システムをだめにしている政府計画や政府の規制を取り除くことである。

補助金は、有害であり不公正なものである。なぜある種のビジネスには他人に施しをするために課税されなければならないのか?なぜ、政府が優遇するビジネスを支えるために、よりたくさんの税金を払わなければならないのか?

このような馬鹿げたことはやめよう。そうすれば、ビジネスはフリーマーケットの中で操作することができるし、我々はより良い物を食べることも出来るし、より良いものを着てより良い家により安く住むことが出来る。


11.自由貿易になれば、関税を設けるよりも生活が向上しますか?


自由貿易はより安い値段でより良い品物を消費者に提供することを可能にする。貿易制限は、その反対である。品質の悪いものをより高い値段で消費者に提供するのである。

自由貿易では、消費者は製品により安いお金を払うことで、他の商品(国内品や外国品)に使うお金が残ることになる。

自由貿易は世界平和をもたらすことにも貢献する。1920年代から1930年代の間で、貿易障壁が世界中に行き渡ってしまったことで、それが直接的に第2次世界大戦を引き起こしたのである。もし商品が国境を渡ってこないのなら、軍隊が国境を越えてくるであろう。

全ての貿易制限を終わらせよう。世界中の原料が最も効率的で生産的に配置されるように自由にしよう。


12.最低賃金法をどう捉えますか?


技術、経験のある働き手はより多くの賃金を得るが、それは雇用者がかれらを雇うための競争があるからである。教育のあまりない、経験もない若い人は仕事にありつけない。なぜなら最低賃金法があるために見習として雇用するにはあまりに賃金の高いものにしているからである。最低賃金法の撤廃は多くの若い人、マイノリティ、貧困者に働くチャンスを与えるだろう。

このことは問われねばならない。つまりもし、最低賃金法がそんなに良いアイデアであるというのならなぜ最低賃金を時給200ドルにしないのか?大抵の頑固な最低賃金法の主唱者でさえ、そのような提案はなにかおかしいと分かるはずである。

唯一のフェアで正しい賃金とは、雇用者たちの間で合意されたものである。我々は今すぐに最低賃金法を撤廃するべきである。


13.貧困者の問題をどう考えますか?


私は、貧困の連鎖というのを断ち切りたいし、身障者達を助けたい。まず第一に雇用を妨げる法律を取り除き、2番目に許可制、ライセンス制度、区画制、労働法に基づいている福祉を民営化する。これらは全て働く意欲のある人たち、特にマイノリティーを、労働することを止めさせてしまうものである。これらの法律を廃案にしよう。個人的なチャリティはより哀れみのあるものであり、より多くのものを政府の政府政策よりは供給するものである。

我々は完全な世界を作ることはできない。我々は貧困な人々に対して非効率な政府計画を効率的で自発的な援助に置き換えることでより多くのことをすることができるのである。-- David Bergland


14.人種偏見や男女差別をする雇用者に雇用差別をさせないためにアファーマティブアクションは必要ではないでしょうか?


リバタリアンは、いろんなタイプの人たちが最も調和のとれた関係のなかで働いているのを見たいと願っている。"Affirmative action"というのは、人々を望むと望まざるとに拘わらずの関係を結ぶことを強制するという法律である。わりと最近まで、多くの州において異なった人種がいろんなことを一緒にすることを妨げるような法律が存在してた。たとえば仕事をしたり、食事をしたり、結婚したりといったことである。 リバタリアンはこのような法律には断固反対する。なぜなら、人には集団や関係というのに入るか入らないかを自分で選ぶ権利があるからである。

古いことわざではこう言っている。"it takes two to tango."(タンゴを踊るには二人いなきゃならない。)。関係を結ぶには、また組織を作るには最低二人の人間が必要だ。我々は自発的な意思から関係を作ろうとするのを阻止するのに法律を用いることは正当化できない。また当人たちの意思に反して関係を強要することも正当化はできない。

政府の雇用というのは、また違ったケースといえる。政府の仕事における雇用や昇進の唯一の基準となるものはメリットであるべきである。憲法は人民の法の下における平等を要求している。政府というのは法律によって作られたものであるから、彼らは憲法上絶対的に平等な扱いをされなければならない。個人的な市民や法人は、愚かなことをする権利を持っており、その結果は自分でこうむるのである。

アファーマティブアクションで偏見を取り除こうという試みはうまくいっていない。このような法律は人種的な偏見をもった人間がその裏をかくことも簡単である。


15. リバタリアンは、税金をどう捉えますか?


アメリカでは、既におおくの供給者が多くのサービスを提供している。郵便配達から教育、道路作り、やその保守まで、民間部門でやった方が、より効率的で低コストと考えられている。

我々は、税金を廃止したり減らそうという全ての運動を支持する。税金というのは不道徳に力によって維持されている制度である。所得税は特に害悪なものである。生産性に対する罰金であり、我々のプライベートなできごとを政府の捜査官にさらけだすことを強いるものである。

1914年の以前には、所得税というのはなかった。そしてアメリカは繁栄していた。所得税を自発的なファイナンシングサービス手法に置き換えるのが我々のゴールである。これにすぐに取り組むべきである。


16.私は税金カットを支持しますが、実際問題、どうすればいいでしょうか?


政府というのを、サービス産業のコングロマリットと捉えてみたらどうだろう。これらサービスの提供者は政府の雇用者である必要はない。またサービスへは税金で払う必要はない。教育、安全、輸送、慈善、エネルギー、なんでも分野に拘わらず民間部門はすでにそれを少ないコストでやっている。税金を削減するためには、民間部門のサービス提供者が非効率な官僚制をとってかわることをゆるさねばならない。

市場の競争で、より低コストのよりよいサービスが提供されることになるだろう。


17. リバタリアンは進みすぎてはいませんか?


私は、あなたに自分を自分で支配できるようになってほしい。

政治的なコントロールを自己統治に置き換えるのは、あなた次第である。だから実験して見よう。外国援助をカットし、運送の規制撤廃をし、ドラッグ法を撤廃し、農場補助金をカットし、税金をカットしよう。

「あなたが、自己統治出来るようになるにつれ、おそらくもっとそれを欲するようになる。決めるのは君に掛かっている。だれも君に自由になることを強制はできない。-- David Bergland


18. リバタリアンの考えは性善説に基づいてはいませんか?


大抵の人達は、殆どの場合、 リバタリアンの前提である他者の権利への尊重をもってお互いに生きている。社会のごくごく一部の者が全ての犯罪を犯しているのである。多くの人がそうであったら社会そのものが崩壊しているであろう。

もし、人間が根本的に邪悪なものであれば、最後に欲しくなるものは大きな政府であろう。そして政府はそれら邪悪なものたちがスタッフとなっており、あなたを支配しようとするだろう。-- David Bergland


Bibliography:
[1] "Liberty Communicator Course," Advocates for Self-Government, 1988.

[2] Bergland, David, "America's Libertarian Heritage: The Politics of Freedom," Orpheus Publications, 1773 Bahama Place, Costa Mesa, CA 92626, (714)751-8980, 1991.

[3] "The Liberator," Spring 1992, pp. 18-19, Advocates for Self- Government, 3955 Pleasantdale Road, No. 106-A, Atlanta, GA 30340, (800)932-1776.

[4] "The Liberator," Summer 1993, p. 13, Advocates for Self-Government





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